水屋(みずや)とは?
水屋とは、正式名称「貨物利用運送事業」のことで、荷主と運送会社の間で荷物とトラックをマッチングさせる配車の専門職です。
例えば、荷主から「明日までに関東から関西に10トンの荷物を運んでほしい」といった依頼が入ると、
水屋は信頼できる運送会社や空車のドライバーを探し、条件(車種・時間・料金など)を調整するお仕事です。
貨物利用運送事業者に7年間勤めていた元配車マンの方にインタビューし、運送業界のました。
元配車マンに聞いた配車業務が「大変」と言われる理由
電話が鳴り止まない

数100件の案件を数人でさばいていたので、常に電話が鳴っている状態でした。逆に電話がならないと、「今日は何が起きているんだ」と心配になるくらいです。
主に配送に関する問い合わせが多く、状況の確認、配送依頼など、様々でした。
保留ランプが2つじゃ足らなかったです。(笑)時には写真のように2台の電話機で同時に通話することもありました。
例えば…
電話1
お客さん「あの案件どうなってるの?」
配車マン「今から確認するので少々お待ちください!」
(保留)
電話2
配車マン「お待たせしました!明日東京~静岡の案件があるのですが、空車ありますか?」
※画像はイメージです
業務が属人的になってしまう

属人的になってしまう一つの理由は人間関係です。結局は人と人との話し合いなので、ドライバーや荷主との人間関係が大事です。
ドライバーの中には「この配車マンの仕事は受ける、この配車マンの仕事は何が何でも受けない」など担当の好き嫌いがはっきりしている人もいたので、仕事を受けてもらえるよう嫌われる訳にはいきません。上司にも、運送会社を囲わず、ドライバーを囲えと言われられていましたので、配車は常にドライバーファーストです。
お世話になったドライバーが何人もいます。
有休をとってドライバーに会いに行ったりもしていました。
また、配車業務ももちろん配送について知らないと配車は組めませんでした。積載量の計算、ドライバーの拘束時間を管理、混載の対応など、慣れるまでは大変でした。
新人を育てるのが大変な業種です。
荷主との交渉が頻繁に起こる
基本的な運賃交渉は間に入っている会社の仕事になります。
荷主側もコストカットのために高速代をなるべく削減しようとしますが、間に合わない時は運送会社の代わりに交渉する必要がありました。
「○○時までに東京から名古屋は間に合わないので高速代だしてください」など。
たまに喧嘩になることもあります(笑)
実際に現場に行った時のトラブル
荷待ち時間
荷主側から13~17時の間ならいつでも詰め込めると言われたとしても、いざ行っていてみたら商品が完成していなく、積み込めない時が多々あります。
それは、製造のトラブルなどで発生する
混載便の場合、他の荷主の荷物もあるので、「次間に合わないので高速代だしてください」や「待てないので他の運送会社を探してください」ときっぱり切ることもありました。
荷物の内容が違う
荷物をいざ積み込みに行って、報告されているサイズより数センチや半パレット大きいこともありました。その荷主の荷物だけであればトラックに乗るので荷主側は問題ないと思っているのだと思いますが、他の荷物を載せるのでその誤差が致命的な事があります。
荷主の中には混載に関して理解が無い方がいました。
システムの重要性― 配車管理システム ―
配車する際は、配車管理システムを使って荷主の依頼と空車情報のマッチングを行っていました。
また行き先から行き先までどのくらい時間がかかるかはGoogle Mapを使います。
この二つがないと業務ができないくらい依存していました。
配車に関して、システムは非常に重要なピースだと思います。
ODIN リアルタイム配送システムでできること
配車情報を一元管理

案件情報、車両状況、ドライバーの稼働をシステム上で統合管理。
誰でも状況を把握できるため、担当者不在時でも業務を止めずに対応できます。
また、配車もシステムが組んでくれるので、配車の属人化解消に繋がります。
ドライバーの位置をリアルタイムで可視化
GPSによってドライバーの現在地を把握し、最適な配車判断が可能になります。
「今どこにいる?」「次に空くのは誰?」といった問い合わせを減らせます。
また荷主側も、自分の荷物がどこにあるか、何時に積み込み・届けに来るかをリアルタイムな状況で確認できるので、受け入れ態勢を整えることが可能です。
連絡業務を自動化
ドライバーへの指示や進捗報告をアプリで自動共有できるため、電話・LINE連絡を大幅削減。
誤配送防止や記録の一元化にもつながります。
荷待ち時間や荷役時間なども自動的に記録できるため、荷主への交渉材料がドライバーの操作なしで取れるようになります。
これからの配車業務は「勘」から「データ」へ
人手不足・2024年問題・労働時間規制など、運送業界は大きな転換期を迎えています。
経験と勘に頼った配車から、データに基づく配車判断へと進化する時代です。
配車管理システムを導入することで、担当者の負担を軽減しながら、
正確でスピーディーな判断ができる“持続可能な配車体制”を構築できます。
まとめ:配車担当者を支える仕組みをつくることが、業務改善の第一歩
| 現場の課題 | システム導入での解決策 |
| 電話がなりやまない | 自動連絡・履歴保存で削減 |
| 属人化 | データで引き継ぎ可能 |
| 車両状況が見えない | GPSでリアルタイム可視化 |
配車担当者(水屋)の経験と判断力は、物流現場に欠かせない価値です。
しかし、すべてを人の力に頼り続けるのではなく、システムで支える仕組みを導入することで、
より正確で効率的な配車が実現できます。
また、システムで配車を効率的、かつ迅速的に行う事で、配車マンはシステムには頼れない人間関係の部分に時間を使えることになります。
よって、最終的にはお客様のためにもなるのです。
「人の力 × デジタルの力」で、配車業務の未来を変える。
それが、これからの物流業界に求められる新しいスタンダードです。

