なぜ今、配送システムの活用なのか?
配送業界は現在、いくつもの大きな壁に直面しています。
・人手不足
・燃料費の高騰
・2024年問題(働き方改革)
・ドライバーの高齢化
・顧客満足度の厳格化 ….etc
これらの課題は、従来のアナログ運用では太刀打ちできません。
そこで注目されているのが、配送システム(TMS:Transport Management System)による業務改善です。
実際に、TMSを導入した企業では、
燃料コストが5〜15%削減(※1)
配送効率が最大30%向上(※2)したという調査結果があります。
配送業界の現状とボトルネック
仕事を経験して感じた“非効率”。
主な課題は以下のとおりです
・配車の属人化:経験頼りで、空車・重複運行が多発
・リアルタイムな可視化不足:遅延やトラブルに後手対応
・倉庫作業の非効率:在庫誤差やムラの多い動線設計
・データ分断:各工程が連携しておらず、分析困難
・人手中心の負担:3M(ムダ・ムリ・ムラ)が蔓延
これでは、いくら人手を増やしても、改善には限界があります。

配送業界の課題解決ができるシステムってどんなものがあるの?
このような課題を抱えた配送業界ではシステムを導入し業務の効率化することが課題解決につながる有効な手段です。
ここでは「配送管理システム(TMS)」「倉庫管理システム(WMS)」について詳しく解説していきます。
配送管理システム
配送管理システムとは商品の出荷から届け出先までの輸配送をトータルに管理するもので、配送計画や運行管理を支援するシステムを中心に構成されています。具体的な機能は以下の4つとなります。
配車計画の最適化
TMSを活用すると、「どの車両が、どの配送先を、どの順に回るのが最も効率的か」を短時間で自動計算できます。また、限られたスペースでの積載効率も考慮できるため、積載率の最大化も可能です。
さらに、これまでベテラン配車係に依存していた属人的な配車業務も、TMSによって誰でも短時間で効率的な配車計画を作成できるようになります。
輸配送業務のリアルタイム管理
車載端末やスマートフォン、GPSとの連携により、車両の稼働状況や位置情報をリアルタイムで把握可能になります。これにより、渋滞などのトラブル対応や急な配送依頼への対応が迅速化し、顧客満足度の向上が期待されます。
日報や帳票の作成
発送指示書や納品伝票などの帳票を簡単に作成できます。さらに、ドライバーが帰着後に作成する運転日報や運行実績も自動で作成できるため、手間と時間を大幅に削減できます。
車両情報やコストの管理
TMSを使えば、車検日やリース契約といった車両情報を簡単に管理でき、複雑な運賃計算も入力だけで完了します。配送にかかるコストや走行データを一元管理することで、ムダの把握や改善がしやすくなり、コスト削減にもつながります。
倉庫管理システム(WMS)
倉庫管理システムとは、倉庫内作業の精度向上・効率化を支援するシステムで、倉庫への商品の入出庫管理や在庫管理などの機能を搭載しています。主な機能としては以下の4つがあります。
入庫管理機能
入荷予定の商品情報をWMSに登録しておくことで、検品や数量確認、賞味期限などのチェックがスムーズになります。ロケーション管理により、保管や出庫のスピードも向上します。
出庫管理機能
出荷指示やピッキングリストをWMSに登録することで、作業者は端末を見ながらスムーズに商品を取り出し、梱包・出荷できます。荷量に応じた最適なピッキング方法の選択も可能となり、ミス防止と効率アップにつながります。
在庫管理機能
商品ごとの保管場所、数量、期限、ロット情報などを一元管理できます。入荷日順の出荷にも対応しやすく、リアルタイムの情報共有で作業効率と生産性の向上が図れます。EC市場におけるスピード配送ニーズにも対応可能です。
進捗管理機能
作業の進捗状況をリアルタイムで把握・共有できます。フロア別や出荷先別など、様々な視点から進捗を可視化できるため、遅れがある現場に他部署から迅速に応援を入れるなど、全体の生産性向上が期待できます。
システムを使った改善ポイント5選:課題から解決策へ
配送コスト削減:ルート最適化と配車管理
<課題>
熟練者に頼った配車で、空走や非効率ルートが多発
ルートが手作業で設定され、再現性がない
↓
<解決策>
AIによるルート最適化で、走行距離・燃料コスト10〜20%削減(※3)
渋滞情報も自動反映し、到着予測制度を向上
ミス・遅延防止:リアルタイム進捗可視化
<課題>
配達状況が紙と口頭頼りで、遅延把握が遅い
↓
<解決策>
GPS+POD(配送証明)連携で、現在地と状況をリアルタイムで見える化
遅延アラートや自動通知機能により、即時対応が可能
属人化の解消:3M(ムダ・ムリ・ムラ)削減
<課題>
ベテラン頼りで業務の標準化ができていない
↓
<解決策>
配車のテンプレート化とAI支援で、誰でも再現可能なオペレーションに
作業ログの自動蓄積により、業務の見える化が進行
作業効率化:クラウドによる配車・日報連携
<課題>
紙の運行台帳とExcelで業務が煩雑
↓
<解決策>
一画面で配車・進捗・日報が完結
帳票出力やファイリングが不要になり、事務作業が50%短縮(※4)
データ管理強化:一元化によるPDCA促進
<課題>
各工程のデータがバラバラで、改善に活かせない
↓
<解決策>
配送・稼働・日報データをクラウド上で自動集約、管理画面で配送状況や停滞等を可視化することで業務の分析を円滑に行うことができるように
実は、この5つの改善例すべて「ODIN」で実現可能です!
ODIN導入事例:株式会社トクソーイノベーション(神奈川県)

導入事例 トクソーイノベーション様
日報作成時間が30分→15分に半減
「あと○分で到着」が即答できるようになり、クレーム対応精度UP
ドライバーの帰社後業務が短縮され、満足度も向上
(株式会社トクソーイノベーション様の記事はこちらから)
まとめ
配送業務を本気で改善するには、単なる「便利ツール導入」では足りません。
配車・動態・日報という業務データを一元化し、業務を可視化することがカギです。
配送管理システムを活用すれば、ムダやミスを防ぐだけでなく、
問題が起きた時に“原因”が数字で見える。改善が「できる」ようになる。
この仕組みをつくることが、未来の配送業に必要な「仕組みづくり」だと、強く感じました。
参照
※1 https://www.inboundlogistics.com/articles/tms-time-to-ditch-the-spreadsheets/
※2 https://www.freightoscope.com/5-scenarios-that-prove-you-need-a-transportation-management-system-tms/
※3 https://axiomq.com/blog/how-can-route-optimisation-save-you-20-on-fuel-usage/
※4https://www.shipwell.com/blog/benefits-of-transportation-management-system?utm_source=chatgpt.com